東野圭吾、発売順に読みかえす【放課後】【卒業】

私が利用している街の図書館、いわゆる読み物系の本が結構充実しています。そこで、好きな作家の一人、東野圭吾さんの本を初期のころから読み返すことにしました。東野圭吾さん、読みやすく面白いうえ、文章からにじみ出るお人柄にも大変好感が持てます。そのうえ、かなりハンサム。(本とは関係ないけれど)最近出た数冊を除いては(現在図書館で予約待ちなのです)ほぼ読んでいるのですが、書かれた順とか発売された順とかではなく、本屋さんとかブックオフで購入した順に読んでいました。そこで発売順に読んでみたいと思ったのです。(だいたいでよいのですが、初期の作品から順にという意味です。)物を増やしたくないため、現在自宅には東野圭吾さんの本、数冊しかありませんので、まさに図書館さまさまです。

【放課後】
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乱歩賞受賞作。女子高が舞台の密室殺人事件。先生と生徒の関係が非常にリアルで引き込まれます。女子高生の会話など、男性作家さんが書いたとは思えないくらいリアリティがあります。人物描写がとても上手で巧みなため、登場人物が非常にいきいきと感じられました。東野圭吾さんの本、初期の頃はいわゆる密室殺人などのトリックものが多いように思うのですが、これもその一つ。私は、ミステリーを読む際、いい加減な性格のせいか、トリックの整合性はそこまで気にせず雰囲気で読んでしまう方なのですが、(トリックが理解できないこともあり)このトリックはなるほどと納得させられました。高校が舞台なので大人が読んで面白いだろうか、との懸念を吹き飛ばすべく、緻密に計算された伏線としてのエピソード、はっきりイメージできる人物像にぐいぐい引き込まれました。ただ、最後に動機が明らかにされるのですが、これがちょっと納得できませんでした。動機なんてその人にとってのものなのでしょうが、私にはしっくりきませんでした。

【卒業】
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こちらも大学を舞台にした学園ものです。今度は大学生が主人公になりますが、ここでも人物表現が秀逸です。登場人物それぞれの個性がリアルに伝わってきて、情景や会話が目に浮かびます。本を読んいるというよりは、登場人物があまりにいきいき描写されているので映像を見ている感覚なのです。この本でも殺人事件がおこるのですが、いわゆるトリックものです。茶道を使ったトリックが非常に難解で、私はもう完全理解はあきらめ読み進めました。こちら、登場人物が非常に魅力的に描かれているため、トリックとか、動機とかミステリーには必須の要素を抜きにしても成り立つのではと思わせるくらい物語としての魅力を感じるのは、さすが東野圭吾さんだなあと思いました。あまりに人物が魅力的だったからでしょうか。のちに、この中の登場人物、加賀恭一郎が主人公となりシリーズ化しますが、確かに、加賀恭一郎、初登場がこの小説なのですが、キャラが立ってます。何とも深く味のある人物で、この人をもっと見てみたいと思わせます。

最近の東野圭吾さんとはちょっと雰囲気が違いますが、やはり人気作家さんはデビューの頃から面白いんだなあ。とあらためて感じました。当時の東野さんの若さが、登場人物を通してみずみずしさ、躍動感として伝わってくるように感じました。順に読むのもいいものですね。

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林真理子さんの『我らがパラダイス』を読みました

先日、図書館で予約していた林真理子さんの新刊がまわってきました。「我らがパラダイス」という2016年に毎日新聞で連載されていたものの書籍化です。

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表紙の挿絵からも伝わってくるでしょうか。高齢化、介護、経済格差がテーマの小説です。林真理子さんが大好きな私。テーマは地味で重たいですが、読み始めるとすぐに林真理子ワールドに引き込まれます。社会問題をテーマに取り上げながらも軽快でテンポよく物語がすすむのは、さすが林真理子さん。次から次へと問題が起こり、ハラハラドキドキさせられるので、続きが気になり一気に読んでしまいました。また、林真理子さんでないと書けないであろう意地悪いくらいの人間観察力が存分に発揮され、登場人物の心の機微が繊細に表現されているので、人物を極めてリアルに身近に感じられるのはさすが。どたばたして、いささかマンガチックなところはありますが、読後、暗く重苦しい気持ちならない点は、テーマを考えるととても良かったように思います。

私は、現在はまだ親の介護問題に直面していないのですが、今後直面するであろうテーマで、いろいろと考えさせられる内容でもありました。社会問題を取り上げながら、問題点、批判をあげつらうという一方的な切り口になっていない点は、さすが林真理子さんだなあと思います。読後感が爽快であること。今後、自分も直面するだろう身近なテーマであること。そしてそれが軽快に書かれていることによって、励ましや考えるきっかけになりうる本であることが気に入り、文庫化したら購入して手元に置いて何度も読みたい本だなあ。と思いました。

10代の頃から、林真理子さんが大好きなので、一時は林真理子さんの本を100冊近く持っていたこともありました。断捨離して今はお気に入り数冊のみを残していますが、なんだか感慨深い気持ちです。林真理子さんの小説やエッセイから、恋やおしゃれ、女性の生き方などさまざまな話題を楽しませていただいてきたので、とうとう介護の問題もきたのか。という気持ちなのです。(エッセイなどでは高齢化の話題もありましたが、長編小説で、それもメインテーマが高齢化、介護というのはびっくりしました。この国の厳しい現実を痛感します。)

シャープなアンテナを持たれた林真理子さんの世界が大好きなので、今後もいろんなテーマでの真理子ワールドを楽しみにしています。願わくば、歴史ものよりは現代ものでご活躍されるといいなあ。なぜなら、林真理子さんの人間観察力、洞察力は、現代ものの小説でよりキラキラ輝くように思うのです。

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共感を得られる本に出会う【ペットロス】

昨年9月、14才の愛犬を亡くした我が家。客観的に見れば天寿を全うしたことになるのですが、それでも飼い主としてはやっぱりとても寂しいです。普段は、普通に暮らせてはいるのですが、愛犬への思いという意味では、まだペットロスの状態から抜け出せていません。そんなとき、図書館でこんな本を見つけました。

穴澤賢さんの書かれた「また、犬と暮らして。」です。
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著者の穴澤さん、富士丸くんという先代のわんこと突然の別れを経験された方。ひどいペットロスの状態だったそうです。その後、大吉くん、福助くんという2頭のわんこを迎えられるのですが、この本は、大福コンビを迎えてからの生活が綴られています。日々のわんことの暮らしから、わんこへの思いまでが丁寧に描かれていました。

簡単にいうと、ペットロスを経験された穴澤さんのその後のお話です。私は、この本を読んで、非常に共感する部分がありました。また、次の子を迎えて、前の子への思いや気持ちを素直に丁寧に表現されていたので、とても参考になりました。

穴澤さんの本では、ペットロスに対して、こうした方がいい。とか、こうすれば。というアドバイスは一切ありません。ご自分が経験されたこと。その時の気持ち。また、周囲の人のペットロスのことなどが、率直に語られています。穴澤さんご自身が、本の中で、「アドバイスはない。ごめんなさい。」的なことをおっしゃる部分もあるくらいです。

したがって、どうした方が良い。いうような指南本を求めている方向きではなく、著者がどういう精神状態で、どんな風に新しいわんことの生活を受け入れていくことができたのかを知りたい人向けなのです。ペットを亡くした状況はそれぞれ違いますので、押しつけがましくないこの本は、ペットロス真っ只中の人であっても、すっと心に寄り添ってくれるような本だな。という印象を持ちました。

私は、次の子を迎えたとき、どんな感じなんだろう。と思うことがあるので、この本で、「富士丸君が亡くなり、ぽっかりあいた穴に大吉君がすっぽりはまるのではなく、大吉君という新たなふくらみができる感じ。」という穴澤さんの言葉が特に印象に残っています。表現がとても分かりやすかったのと、また犬と暮らしたい。けれど、まだ前の子への思いを引きずっている私にとっては、前の子の思い出はそのままで、新しい子との新たな思い出ができると解釈でき、安心できる言葉でもあったからです。

穴澤さんは、本の中で、愛犬との別れを経験した方、犬を飼おうと思っている方に読んで欲しいとおっしゃっています。犬との暮らし、犬への思いが分かる1冊なので、犬との暮らしってどんなかな?という気持ちの方にもしっくりくる本かなと思います。犬との別れのつらいシーンは嫌ですよ。という方もこちらはそのようなシーンはないので安心して読めます。この本で、著者の穴澤さんが以前に書かれた本「またね、富士丸。」も読んでみたいと思ったのですが、こちらは、富士丸君との別れが詳細に書かれているそうなので、私の場合はもう少し時間が経ってから読みたいと思っています。

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高校生、大学生の子供がいたら読ませたいと思った本

私には子供がいませんが、先日、今更ですが「海賊とよばれた男」を読んで、もし、高校生か大学生くらいの子供がいたら読ませたい本だなあ。と思いました。理由は、この本を通して、働く、お金を稼ぐことの本質とか意義とかを就職前の若い人たちに考えて欲しい。今後の生き方を決めていく際、意義深い本なのでは。と思ったからです。

もちろん、「海賊とよばれた男」、ベストセラーになっただけあり、どんな世代の人が読んでも感銘を受ける本だと思います。こんな経営者が本当にいらしたんだなあ。という驚き。百田尚樹さんの本なので、「歴史経済小説」というジャンルになっているようではありますが、普通の歴史小説と比べるととても読みやすいと思いますし、歴史小説はほとんど読まない私でも、夢中になり読み進めることのできる本でした。

特に、若い人が読んだらいいかなあ。と思うのは、ハウツー本などと違い、直接的なことを書かれているのではなく、主人公の一生を通して広く考えることができる点。時代背景が違うので、少し距離をとりながら考えることができる点が、深く考え、自分なりの解釈でこれからの生き方の答えを見つけるきっかけになるのではと感じるからです。

10代後半から20代前半くらいの一番みずみずしい感性を持つ時期に、人生を考えるヒントをくれる本かなあと思いました。小説なので、直接的に何をどうしたらいいということを書いていないところも柔軟な個性を引き出すためにはいいのかなあと思います。大ベストセラーからだいぶたって、読んでみてそんなことを思いました。

なぜ、いま読んだのか。何のことはありませんが、以前から読みたくて、ブックオフで「海賊とよばれた男」の上巻を買っていたのですが、その時、下巻が売り切れで自宅の本棚に上巻のみありました。最近、図書館で下巻を見つけ、借りてきたので一気に読んだというだけなのですが、本屋大賞に選ばれるだけあり素晴らしい本でした。

図書館の近くで。花の咲く季節は、何てことない道も楽しくなりますね。
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プロフィール

tutu_urara

夫の転勤に伴い、日本各地を数年ごとに転居する40代主婦です。各地での暮らし、住まい、お料理、愛犬との思い出などゆるりと綴ります。

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